ハイファイ指向のススメ
2005年6月29日
レコーディングにまつわる話。
個人的には思い込み/イメージ先行の短絡的なローファイ主義には嫌悪感があって、正直スタジオで大枚はたいて確信なくそれをやる事に抵抗を感じていた。言ってしまえばそれは無知故の損失とでもいう光景なのだが、ともすればそれをスタジオワークの責任に転嫁される事すら日常茶飯事だと思うのです(もちろん疑う余地無くスタジオ側の責任だ!という事もあるのですが...)。ウチがPTHDを無理して導入した一番の理由は、そういうスタジオの内的マイナス要因をまず物理的に無くしたかったから(※もちろんレコーダーだけかえればOKなんて単純な話ではなく、ブースや調整室のルームアコースティックやその他の機材や人的要因が多分にあるがココでは割愛)。そして数あるDAW環境からPTHDを選択したのはやはり今現在のPCMのデジタルレコーダーの中で抜きん出て音が良いということにつきる。もちろん完全に業務用スペックであるからその利便性や拡張性は言うまでも無い事だけれど、ソフトウェア上での事ならLOGICだってNUENDOだってこれだけPCが速くなってれば今やパフォーマンスにおいて必要充分であることは周知の事実。やはり決定的な部分はハードウェアの性能にあるし、価格も当然その部分が反映されての事だ(高すぎるけどね)。
話が若干変わるが、CHAINSのメジャー時代にアナログセッションを経験させてもらったのは凄く大きい。コラムにも書いてるけど,アナログマルチの良いところはその温かさや味と表現される「音楽的」な音質にあるのだけど,環境や機械のコンディションによってはS/Nが悪かったり壊れたらなおしようがなかったり日頃のメンテナンスに時間と経費がかかったり単純にデカくて邪魔だったリと、お世辞にも小規模スタジオにおいて便利なものとは言えない。でも重要なのはSTUDERとか往年の名機はあくまで当時その時々で「ハイファイ」を念頭において作られたもので、それにかわる現代の名機がPTHDだというだけの事。それが身を以て理解出来た分、自分のスタジオでそういう一流スタジオと遜色無い環境をなんとか実現したい、そしてその環境を京都のインディーズバンドに手の届く範囲で提供したいという思いだけで毎日あれこれやっとるんですがね。生活環境が人を作るようにスタジオ環境がバンドを作るという事がもっと高い次元であっても良いと思うんですよ。アビィーロードスタジオとビートルズの連動のように。(※ライブハウスがバンドを作るってのは認識されているがスタジオに同じ事を論じるのは特に日本ではあんまりないんじゃないかな?ただの貸しスタジオみたいなw。そこが不満というか、これからのスタジオはそういう部分が重要)。アビィーロードスタジオはまぎれも無く当時世界で一二を争うハイファイスタジオだった事はいうまでもない。ビートルズの急激な音楽的進化に対応すべく最新のテクノロジーが惜しみなく導入されてたわけだし。そういう現場のニーズが新しい技術やサービスを生むんですよね。
何がいいたいのかというと、スタジオクオリティーにおいて「ハイファイ」というのはあくまで生音の解像度(※狭義ではDAWのAD変換時における余分な色付けのない元音に忠実なクリアな音質を意味する)の話で、個々の音楽性の是非みたいな観念的なものではない...え〜と、要するに「ハイファイってあんまり好きじゃないんだよね〜」っていう単純な趣向の話では必ずしもないので、短絡的に「ローファイ=かっこいい」みたいな全肯定の先入観を持ってレコスタを使う事の是非というかデメリットの話でした(※趣旨を明確化する為に本文ではカセットテレコ使うような宅録の話とは敢えて一線画して論じてますので誤解無きよう)。スタジオセッションに限った話では結果論的ローファイを肯定するよりも、まずハイファイ環境の確立から確信的ローファイ感を生み出すセッションのほうが理想的ではあるし,少なくともマザーシップスタジオはその環境整備を限られた規模の中ではあるけども向上させていきたいのです...ふう(-。-;)長いw。こりゃあ日記じゃあないな。
ちなみに今日はオーストラリアのJohn Bakerさんのセッションです。1st聴かせていただきましたがすんげえかっこいい。ハーフインチのアナログテレコを使用して制作されたようですが音が良いです。今日ウチで録ったセッションのTDは自国オーストラリアのPTスタジオで行われるらしいです。日本で買えるのかな?写真はシタール奏者の上田さんとのショット。シタールのセッションは珍しいので撮らしてもらいました(”)>6/29/13:34
個人的には思い込み/イメージ先行の短絡的なローファイ主義には嫌悪感があって、正直スタジオで大枚はたいて確信なくそれをやる事に抵抗を感じていた。言ってしまえばそれは無知故の損失とでもいう光景なのだが、ともすればそれをスタジオワークの責任に転嫁される事すら日常茶飯事だと思うのです(もちろん疑う余地無くスタジオ側の責任だ!という事もあるのですが...)。ウチがPTHDを無理して導入した一番の理由は、そういうスタジオの内的マイナス要因をまず物理的に無くしたかったから(※もちろんレコーダーだけかえればOKなんて単純な話ではなく、ブースや調整室のルームアコースティックやその他の機材や人的要因が多分にあるがココでは割愛)。そして数あるDAW環境からPTHDを選択したのはやはり今現在のPCMのデジタルレコーダーの中で抜きん出て音が良いということにつきる。もちろん完全に業務用スペックであるからその利便性や拡張性は言うまでも無い事だけれど、ソフトウェア上での事ならLOGICだってNUENDOだってこれだけPCが速くなってれば今やパフォーマンスにおいて必要充分であることは周知の事実。やはり決定的な部分はハードウェアの性能にあるし、価格も当然その部分が反映されての事だ(高すぎるけどね)。
話が若干変わるが、CHAINSのメジャー時代にアナログセッションを経験させてもらったのは凄く大きい。コラムにも書いてるけど,アナログマルチの良いところはその温かさや味と表現される「音楽的」な音質にあるのだけど,環境や機械のコンディションによってはS/Nが悪かったり壊れたらなおしようがなかったり日頃のメンテナンスに時間と経費がかかったり単純にデカくて邪魔だったリと、お世辞にも小規模スタジオにおいて便利なものとは言えない。でも重要なのはSTUDERとか往年の名機はあくまで当時その時々で「ハイファイ」を念頭において作られたもので、それにかわる現代の名機がPTHDだというだけの事。それが身を以て理解出来た分、自分のスタジオでそういう一流スタジオと遜色無い環境をなんとか実現したい、そしてその環境を京都のインディーズバンドに手の届く範囲で提供したいという思いだけで毎日あれこれやっとるんですがね。生活環境が人を作るようにスタジオ環境がバンドを作るという事がもっと高い次元であっても良いと思うんですよ。アビィーロードスタジオとビートルズの連動のように。(※ライブハウスがバンドを作るってのは認識されているがスタジオに同じ事を論じるのは特に日本ではあんまりないんじゃないかな?ただの貸しスタジオみたいなw。そこが不満というか、これからのスタジオはそういう部分が重要)。アビィーロードスタジオはまぎれも無く当時世界で一二を争うハイファイスタジオだった事はいうまでもない。ビートルズの急激な音楽的進化に対応すべく最新のテクノロジーが惜しみなく導入されてたわけだし。そういう現場のニーズが新しい技術やサービスを生むんですよね。
何がいいたいのかというと、スタジオクオリティーにおいて「ハイファイ」というのはあくまで生音の解像度(※狭義ではDAWのAD変換時における余分な色付けのない元音に忠実なクリアな音質を意味する)の話で、個々の音楽性の是非みたいな観念的なものではない...え〜と、要するに「ハイファイってあんまり好きじゃないんだよね〜」っていう単純な趣向の話では必ずしもないので、短絡的に「ローファイ=かっこいい」みたいな全肯定の先入観を持ってレコスタを使う事の是非というかデメリットの話でした(※趣旨を明確化する為に本文ではカセットテレコ使うような宅録の話とは敢えて一線画して論じてますので誤解無きよう)。スタジオセッションに限った話では結果論的ローファイを肯定するよりも、まずハイファイ環境の確立から確信的ローファイ感を生み出すセッションのほうが理想的ではあるし,少なくともマザーシップスタジオはその環境整備を限られた規模の中ではあるけども向上させていきたいのです...ふう(-。-;)長いw。こりゃあ日記じゃあないな。
ちなみに今日はオーストラリアのJohn Bakerさんのセッションです。1st聴かせていただきましたがすんげえかっこいい。ハーフインチのアナログテレコを使用して制作されたようですが音が良いです。今日ウチで録ったセッションのTDは自国オーストラリアのPTスタジオで行われるらしいです。日本で買えるのかな?写真はシタール奏者の上田さんとのショット。シタールのセッションは珍しいので撮らしてもらいました(”)>6/29/13:34
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